世界で久米島だけ!クメジマボタルを観察しよう

世界で久米島だけ!クメジマボタルを観察しよう

みなさん、ホタルを見たことありますか?

最近は見かけなくなったという方も多いかもしれませんね。

久米島には、久米島だけにしかいない「クメジマボタル」が生息しています。

そんなクメジマボタルについて知るための「ホタル観察会」に参加しました。

観察会の様子、クメジマボタルってどんなホタルなのかについてもご紹介します。

 

ホタル観察会って?

クメジマボタルは1993年に発見され、翌年に沖縄の天然記念物にも指定されました。

毎年4月中旬から5月上旬にかけて光り輝く姿を観察できます。

現在は数が激減し、観察できる場所も限られています。

そんな貴重なホタルの観察と、ホタルについて知るためのレクチャーを行うのがホタル観察会です。

令和5年度は4月21日に久米島ホタル館にて行われました。

 

久米島ホタル館って?

久米島ホタル館は、クメジマボタルについて多くの方に知って頂くために開設された施設です。

施設内には川も流れており、川遊び体験や生き物観察のプログラムも実施されています。

小さい子供から大人まで、久米島の生き物や自然について楽しみながら学ぶことができます。

館内1階は、久米島に生息する生き物たちの展示がされています。

魚から蛇まで多種多様な生き物の姿を観察できます。

館内2階は、ホタル館の活動についての写真が多く展示され、読書ができるコーナーもあります。

久米島ホタル館

住所:沖縄県島尻郡久米島町大田420

TEL:098-896-7100

営業時間:9:30〜17:00

定休日:月曜日・火曜日・年末年始

入館料:[大人]100円 [小人]50円

ホタルの会

HP:https://kumejimahotaru.jimdofree.com/

 

 

ホタル観察会の様子

沖縄では過ごしやすい季節の4月の下旬。

日が沈んで涼しい時間帯に観察会は行われました。

大勢の人が集まり、ホタルを見たい!という期待に溢れています。

ホタルを観察するグループとクメジマボタルのレクチャーを受けるグループに分かれ、

観察が終わればレクチャーへ、レクチャーが終われば観察へと交代しました。

私は先に観察するグループに参加しました。

観察場所までは距離があるため、車での移動です。

畑の奥にある川下近くに観察スポットがありました。

ホタルは人口の強い光があると光ることをやめてしまう為、観察場に着いたら懐中電灯などの灯りは消します。

時間は夜7時過ぎ。だんだんと暗くなり、明かりを消すと近くの人の顔もはっきりと見えません。

目を凝らして川下を見ると、微かに光が点滅しているのが、一つまた一つと見えてきました。

この時間に光っているクメジマボタルはオスだけだそうです。

クメジマボタルのオスは集団で光る集団同時明滅という方法で飛びます。

一つが光るとあちこちでシンクロするように光ります。

メスは明け方に光りながら移動し、川辺で集団産卵します。

これは他のホタルにはない、クメジマボタルだけの特徴なんだとか。

美しいホタルの光を撮ろうと試みましたが、フラッシュ撮影は禁止のため、

残念ながら写真は真っ暗でした。

ホタルの飛んでいる位置が遠かったこともあるかもしれませんが、

ホタルの光もスマホの写真で撮れるほど明るくはないようです。

かつては数千のホタルが飛び交い、ホタルの光で五枝の松がクリスマスツリーに見えるほど光り輝いていたそうですが・・・。

今回は数えられるほどしか飛んでいなかったのも原因かもしれません。

どうしてこれほど少なくなったのか、クメジマボタルの生態はどうなっているのかは、

ホタル館に戻ってのレクチャーでお話しいただきました。

 

クメジマボタルの生態について

レクチャーして下さったのは、久米島ホタル館の館長佐藤文保さんです。

スライドを使ってお話しくださいました。

 

クメジマボタルは世界でも久米島だけに生息し、幼虫は水中で過ごす水生ホタルです。

幼虫は川の中で脱皮を繰り返した後、陸に上がって成虫へ成長していきます。

かつてはホタルの光で読書ができた、子供がおもちゃにして遊んだと言われていますが、

現在は絶滅の危機に瀕しています。

原因は、かつて水田を中心とした里山だった環境が、

農地改良事業などの影響で赤土が川に大量に流れ込んだこと、

また生活排水やゴミなども関与してホタルの生息する川が汚れてしまったためです。

ホタルをなんとか復活させたいという島民の声が集まり、久米島ホタル館が誕生しました。

ホタル館周辺の赤土を取り除く作業から始め、

子供たちによる環境保護グループ「ホタレンジャー」を結成し、現在も活動を続けています。

クメジマボタルは川の影響によって大きく見られる数が変わるそうです。

この観察会を通して、クメジマボタルだけではなく、久米島の自然環境は人々の意識が作るのだと学びました。

まずは、自分が島の自然環境について知り、どんな活動ができるのか情報をとっていくことから始めようと思いました。

そして多くの方に伝えて知ってもらうことで久米島の豊かな自然を守る一助となればいいな、と思います。

また来年もクメジマボタルの美しい光が見られることを期待したいです。

 

クメジマボタルを見てみたい!という方は、ぜひ来年の4月中旬から5月上旬に久米島へお越しください。

写真には写らない美しさがあるはずですよ。

久米島NOWカテゴリの最新記事