在来馬について知ろう!久米島と在来馬

在来馬について知ろう!久米島と在来馬

みなさん、馬に乗ったご経験はありますか?

意外かもしれませんが、沖縄には馬を家庭で飼養していた時代があり、久米島も馬との関わりが深い地域です。

しかし、実は在来馬がほとんどいなくなるという歴史も久米島は通っています。

現在久米島では、久米島馬牧場さんの方で馬が飼育されています。

島の子供達は、お馬さんに触れ合う機会も多く、島民たちにとって身近な存在となっています。

今回は、沖縄の在来馬の歴史も合わせて、久米島と馬の関わりについてもご紹介します。

 

在来馬って?

そもそも在来馬についてご存知でしょうか。

在来馬とは、日本の地域で古くから飼われ、外国からの馬種との交配を避け、地域に根付いた馬のことを指します。

日本の在来馬は、4世紀末にモンゴルから朝鮮半島を経て日本に伝来したと言われています。

それが日本各地に広まり、農耕や運搬などの目的で飼養されていきました。

しかし、明治以降、西洋の大きな馬が好まれるようになり、外国種との交配が進みました。

さらに、自動車の普及が進んだことで、馬の需要がなくなり、飼養数が激減。

今(2025年現在)では、日本の在来馬は全部で8種類となっています。

そのうち2種類が沖縄にいる宮古馬と与那国馬です。

 

沖縄の在来馬

宮古馬

宮古馬は宮古島で飼育されているおり、沖縄県の天然記念物に指定されています。

 

与那国馬

与那国馬は与那国島で飼育されており、与那国町の天然記念物に指定されています。

 

沖縄の馬は小型ですが、性格はおとなしめで人懐っこく、足腰が強く、粗食でもよく働くという特徴があります。

琉球石灰岩の硬い土壌の上で飼育されていたため、蹄が硬く、蹄鉄も要らなかったため、琉球王国時代には当時の明に朝貢品として年間1000頭余りの数の馬を送っていたと言われています。

現在はどちらも頭数を増やしたり、保存のための活動がされています。

 

久米島の在来馬

かつて、久米島にも農耕用や移動手段として馬を飼養していたという歴史があります。

久米島博物館には、かつて利用されていた馬の荷鞍や馬車が展示されています。

 

また、久米島と馬が深い関わりがあったことがわかる琉歌も残っています。

久米島に伝わる木綿花節という有名な琉歌に、馬にまつわる一節があります。

五、あに走る馬に ぶちゆかきみせが ぶちやひけみしょり わ年語ら
あにはゆるんまに ぶちかきみせが ぶちやひけみしょり わとぅしかたら

意味)あの走る馬に鞭を叩いておられますが 鞭をお控えなされば私の年を教えましょう

馬に鞭を打たないで、という歌詞から久米島では馬を大切にされていたことが推察されます。

 

一番多い時では、久米島には800〜900頭ほどの馬がいたと言われているそうです。

しかし、久米島馬牧場のオーナーである井上さんが久米島で馬牧場を始める際には2頭にまで減少。

久米島もモータリゼーションの波に飲まれ、馬を使用する世帯が減っていったためだと言われています。

そんな絶滅の危機から、久米島馬牧場さんでは徐々に馬の数を増やし、

今では、与那国馬とトカラ馬、在来馬と外国産馬のミックスの子孫たちが十頭を超えて飼育されています。

 

 

馬にまつわる場所

久米島にも馬場と呼ばれる場所がありました。

馬場跡と言われている場所は、宇江城馬場、具志川馬場、仲地馬場、山里馬場、仲泊馬場、嘉手苅馬場、島尻馬場、比嘉馬場(謝武兼久)、真謝馬場、比屋定馬場などがあります。

今は小学校の運動場となっている場所や、城跡の一部もかつて馬場として利用されていたと言われています。

他にも、ノロ(琉球王国時代に王府から任命された集落の祭祀を司る女性神職)が馬に乗る時に使っていた乗馬石も残っています。

気づかないだけで、あちらこちらに馬と関係のある場所が多いんだなぁ〜と驚かされます。

久米島観光される方は、ぜひ馬にまつわるスポットにも注目してみてください。

 

馬たちを未来へ

在来馬同士だけでは血が近く丈夫な馬が育たないため、在来馬だけを掛け合わせて増やせばいいというわけにもいかないのが、この在来馬を残していく上での問題です。

久米島馬牧場さんでは、在来馬の保存の手段として、観光用の乗馬体験を行うことで保護を進めていますが、

今では島の子供達にも乗馬体験を積極的に行っており、子供達の心の成長にもつながっています。

他にも、沖縄本島や与那国島、宮古島など他の在来馬の保存を行っているファームとも連携し、沖縄全土で在来馬の認知、支援を広げています。

馬との交流人口が増えることで、馬が活躍する場が増え、次世代にも馬と人との関わりがつながっていくことでしょう。

 

在来馬は馬それぞれに性格はありつつも、穏やかな馬が多く、力があるので大人も乗馬しやすいです。

馬の上から眺める景色はいつもより目線が高いので、普段は気が付かないものに気づいたり、

何も考えずただ揺れることに身を任せて癒しの時間にもなったりします。

久米島にお越しの際は、馬たちに触れる機会を持ち、馬の魅力を感じてみてください。

久米島馬牧場

HP:https://www.kumejimaumabokujyo.com/

Instagram:kumejimaumabokujyo

ブログ:久米島馬牧場

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