こんにちは。久米島についてゆる〜くお伝えしている香奈です。今回は、久米島の銭田森公園内に新しい施設が誕生しましたのでご紹介します。
2015年に陶芸家の堀野冨洋氏により発案された壮大なプロジェクトで、「自然への畏敬の念」と「人が帰ってくる暖かい場所」という想いが込められた親子向け保養施設です。なんとその考えに賛同したアニメーション映画監督の宮崎駿氏が資金を支援して作り上げられました。その名も『風の帰る森』。
普段は久米島の子供達の学童施設として使われています。ゆくゆくは一般の方にも利用できる図書室スペースや、食堂スペースが設けられており、さらに宿泊もできます。
現在はコロナ感染予防のため,島外の方は1月いっぱいまでは1グループ限定での宿泊となるそうですが、島民も島外の方もGo Toトラベルで利用できるそうです。
しかもこの施設には、子供たち目線を大切にした宮崎駿氏の仕掛けがつまっており、ジブリの精神が感じられる素敵な施設になっているので、その仕掛けも交えてご紹介します。
建物の全体像
宿泊スペースについて話す前に、少し複雑な構成になっているので、まずは建物の全体について簡単に説明します。
この建物は2階建てですが、1階が大まかに前、真ん中、後ろに分かれています。前に食堂と図書室スペース、真ん中にトイレ、畳間、授乳室などがあり、後ろに長い廊下があります。
そして、2階に多目的にも使える広い図書室スペースと宿泊スペースとなっています。それぞれ区切られてはいますが、建物全体につながりを感じる不思議な調和の建物です。
長い暗闇の廊下
この宿泊スペースに上がる階段は後ろの廊下側にあるのですが、この長い廊下に宮崎駿監督の仕掛けがあります。建物の後ろということで、暗くしかも照明もあまりないので、電気が消されると大人でも不気味に感じてしまいます。建物は光を取り入れて明るくすることを売りにするのに、なぜ暗闇を作ったのでしょうか?
実は、子供には何か出てきそうで怖い、という恐怖心も必要だというのが宮崎駿監督の考えなのです。それを聞いた時、確かにジブリ作品にも子供たちがちょっとした不気味さに対峙するシーンがあったなと思い出しました。
例えば『となりのトトロ』でサツキとメイが新しい家に引っ越してきた時、何か出てきそうななくらーい階段に初めて登るシーンとか『千と千尋の神隠し』で千尋が何かが起こりそうな怪しいトンネルに入っていくシーンは、監督のその考えに通じるのではないでしょうか。この宮崎駿監督の仕掛けがジブリ作品のどこに反映されているのか考えながら見て回ると、ただ泊まるよりもさらにワクワクしそうです。
宿泊スペース
客室は4部屋です。それぞれ和室と洋室、お風呂、トイレ、洗面台があり、家族向けとなっています。この施設には宮崎駿監督の奥様と奥様が活動されている読書会の方々から寄贈された本がたくさんあるのですが、客室にも数冊置かれていました。ジブリに関する本もあるので、宿泊しながらジブリの世界観に浸れそうです。
客室での1番のポイントは窓です。こちらの窓からは久米島の美しい海が見えるのですが、ここに宮崎駿監督の仕掛けがあります。海が綺麗に見える場所にホテルを立てたら、窓はどのように使うでしょうか?普通は窓を大開口にして、部屋から大パノラマで綺麗な海を眺められますよ、どう素敵でしょ⁉︎とするところですよね。ところが、このオーシャンビューの窓が意外と小さいのです。なぜでしょうか?
実は、あえて大きくしないことで窓を額縁のように捉え、この景色を絵画のようにしているのです。宝の持ち腐れのような感じもしますが、この小さい窓から見える世界を楽しむ事が豊かさなのかもしれません。窓の高さも2歳の子供でも覗ける程度なので、子供にも優しい設計です。ソファに座るとちょうど目の高さに窓があり、本当に絵画を眺めている気分になれます。
その他の宿泊関係
こちらは食堂スペースもありますが、現在食堂スペースは学童の子供たちのおやつ提供や町民向けの開放日のみドリンク提供のみ使用し、宿泊者向けには食事提供されていないそうです。宿泊される方はオードブルやお弁当などを持ち込んでこちらのテーブル席で食事することはできるそうです。
お問い合わせ
『風の帰る森』宿泊チーム
TEL:098-996-3301
MAIL:yoyaku@kazenokaerumori.com
現在のところ、Webサイトからのご予約はまだできないそうなので、お電話かメールにてお問い合わせください。
※平日、土曜日は学童の子供たちも利用するので、子供たちもいることを承知した上でご利用されてください。
※Go To トラベルキャンペーン宿泊対象期間:
2020年10月1日チェックイン〜2021年1月31日チェックアウト
(ただし事業予算が上限に達し次第終了)
※島外の方は1月いっぱいまで1グループ限定(知り合い同士での団体利用は可)
※島民の方は島民向けの宿泊プランがあるそうなので、お問い合わせでご確認ください。
※2月以降は通常の予約ができる見込みです。
『風の帰る森』に関する情報
H P:http://kazenokaerumori.com/
facebook:https://www.facebook.com/kazenokaerumori/
Instagram:https://www.instagram.com/kazenokaerumori/?hl=ja
住所:〒901-3113
沖縄県島尻郡久米島町字銭田1141番地3
いかがでしたか。宮崎駿監督のジブリ映画に通じる精神に触れられ、久米島の豊な自然も感じられる素敵な施設です。今回紹介しきれなかった施設の他の部分にも、宮崎駿監督の仕掛けがまだまだたくさんありますので、次回はそちらをご紹介します。お楽しみに♪