普段は久米島の子供達の学童施設として使われている『風の帰る森』通称『風森』ですが、町民向けに施設紹介のイベントも開催され、さらに施設開放も始まりました。
前回は1階スペースについてご紹介しましたが、今回は2階スペースにある宮崎駿監督の仕掛けやジブリ関連の裏話を交えて施設の中をご紹介します。
階段下スペース
2階に上がる階段裏には何もないちょっとした空間があります。
こちらに宮崎駿監督の仕掛けがあります。
住居だと階段したスペースは収納を設けたり、トイレにしたりと有効活用しがちですが、あえて何もない空間にしています。
さて、皆さんはこの何もないスペースで何をしますか?
実は、ここで子供たちが潜り込んで秘密基地のようにして遊ぶだろうと考えられているのです。
実際、私の子供もこの下に潜って、持ってきたおもちゃで遊んだり、本を読んだりしていました。
大人も潜り込んで座れます。なんとなく自分だけの隠れ家のようで意外と落ち着きます。
監督の思惑通りですね。
2階図書スペース
2階がメインの図書スペースです。
本の読み聞かせやちょっとした催し物もできるほど広々としています。
こちらではカフェで注文したドリンクやジェラードを頂きながら、ゆっくりと読書ができます。
窓からは海が眺められます。
読書に集中した後、ちょっとした息抜きで外を眺めるのにちょうど良いサイズの窓です。
実は本棚も工夫されているんです。
直接壁につけているのではなく、少し壁から離されているのが分かりますでしょうか?
そうすることで太陽による本の日焼けを防いでいるそうです。細部にまで気が配られていますね。
ステンドグラスと絵画
2階の壁にはステンドグラスと絵画が飾られています。
こちらのステンドグラスも、学童用の入り口にあったステンドグラス作家さんが作成されたものです。
さらに、トイレのドアにもステンドグラスの飾りがあるのですが、そちらも全て同じ作家さんが作成されたものだそうです。
館内の照明が少し暗いので、このステンドグラスの明かりがとても印象に残りやすく、この施設に温かみを増してくれます。
そして、こちらの絵ですが、ジブリ映画で似たような絵をご覧になっていませんか?
そう、魔女の宅急便で出ていたウルスラが描いたキキの絵にそっくりですよね。
これはその絵の元になった作品です。こちらも裏話を教えてもらいました。
宮崎駿監督が養護施設の子供達が作成したこちらの版画をご覧になり、それを覚えていて映画を作る際にその絵をアレンジして登場させたそうです。
写真なども撮らずその絵を再現した監督の記憶力にも驚愕でしたが、この絵を書いたのがプロではなく、子供だったということにも驚きました。
この施設には本当に素敵な作品が多く、ここで過ごす時間がとても贅沢に感じます。
なぜ、ここにこの絵があるのか。こんなにも多くのステンドグラスがあるのか。
その謎は、ぜひ皆さんで考えてみて下さい。
いかがでしたか。まだまだ監督のこだわったところが出てきそうな、ジブリ関連の多い施設です。
ただ施設を利用するだけでも楽しめますが、宮崎駿監督の手掛けた仕掛けから監督の精神を探したり、施設にある作品を通じてこの施設に携わった方々の思いについて考えてみたりすると、こちらの施設により愛着が湧くのではないでしょうか。ぜひ、施設開放日に訪れてみてください。
風の帰る森
住所:〒901-3113 沖縄県島尻郡久米島町字銭田1141-3
Tel:098-996-3301
H P:http://kazenokaerumori.com/
Facebook:https:/www.facebook.com/kazenokaerumori/
Instagram:https://www.instagram.com/kazenokaerumori/?hl=ja
開放日:
月曜日 9:00〜12:00
木曜日 19:00〜21:30 (木曜日のみ夜間入館料500円)
日曜日 13:00〜17:00
※入館できる曜日は変更する可能性がありますので、公式H Pなどをご確認下さい。
※感染対策をしてお越しください。