こんにちは、マエザトと相棒の子ヤギ、オハナさんと一緒に久米島を案内します。
今回は観光マップにも載らない、観光客もいない、超穴場スポットです。
それが故に案内もほとんどなく、整備もされていません。
また、風も強く、足場も悪いため、お子さんが見学することは難しいかもしれません。
ご家族での見学は、慎重にご判断して頂けるようお願いします。
さて、ご紹介する場所は「北原海岸の石切場」です。
名前を聞くと「まぁ海岸にあって、石を切ったところでしょ?」そんな声が聞こえてきそうです。
地名だけでは、行ってみたいと思う人が少ないのではないでしょうか。
しかし、百聞は一見に如かず。
タイトル通り、かなり見応えがあります。
そしてその素晴らしい景観の裏には、過酷な歴史があります。
知ることでかなり見え方が変わります。
まず石切場がどういう場所なのか、お話していきます。
そもそも石切り場って?
みなさん、石切場って聞いたことありますか?
日本全国にあるようですが、採石場や石丁場など様々な呼び方があるようです。
要は、石材を採りだす場所ということになります。
沖縄の石切場では琉球石灰岩(サンゴ)やビーチロック(サンゴや石、貝殻などがくっついたもの)などが切り出されています。
あまり知られていませんが、良質なものは国会議事堂にも利用されている由緒正しい石材です。
実際に久米島では、住居の塀に利用されていたことが現在でも観察することができます。
石切の仕事とは?誰が、なんのために?
石切の仕事は戦後間もない時期まで作業が続いていたようです。
そのため、重機はなく純粋な手仕事で、かなりの重労働だったとのことです。
サンゴとはいえかなり固いので、砕石するための苦労は想像に容易いと思います。
では、どのような方が従事していたのでしょうか。
資料によれば、
“大原・北原でも石切りの経験がないひともおり、経済的に厳しく「なんでもやった」ひとたちによる「素人」の仕事と捉えられているようだ”
出典:沖縄・久米島におけるサトウキビ栽培の始まり/深山直子
石切りを専門とした職人がいるわけでなく、経済的に厳しい方々によって石切りが行われていたそうです。
(例外的に墓大工の方が自分自身で切り出したという証言もあるようです。)
久米島は稲作が盛んな地域でしたが、地域によっては土地の開墾や農業を継続することが難しく、経済的に厳しい方々もいました。
生活をするためにやむをえず、この石切の仕事に従事していました。
この苦労を形として見られるのが石切場ということになります。
どれくらいの規模だと思いますか?
直接見てみたくありませんか?
多くの時間と労力を割いて出来た圧巻の光景を見に行きましょう。
実際にオハナさんと向かいます!
場所は空港と車エビの養殖で有名な久米島総合開発さんの間にあります。
まずは空港とオリックスレンタカーさんの横の道に入ります。
その後の道は久米島総合開発さんの看板、
もしくはgoogle mapで久米島総合開発さんを検索して頂けるとわかりやすいかと思います。
辿り着けるかどうか最大の難関はこちらになります。
目印のない小さな交差点です。
もし左手に久米島総合開発さんの大きな養殖場が見えた場合は通り過ぎています。
引き返してください。
こちらの交差点を左折します。
左折するとすぐに曲がり角に突き当たりますので、矢印のある芝の方に行きます。
ここから先は歩いた方が良いです。
車でお越しの場合は、くれぐれも通行の邪魔にならない所へ駐車をお願い致します。
観光地として整備されている場所ではありませんので、周辺の配慮を宜しくお願いします。
ここからはオハナさんも一緒に見ていきましょう。
しばらく進むと交差点が見えてきます。
そちらを右に曲がります。
道なりに歩いていくと開けた場所に辿り着きました。
足元はコンクリートになっています。
右手を見ると、先の方にミーフガーが見えます。
かなり北風が強く、波しぶきが強いため霧状になっています。
足場も悪いです。
お子さんが来ることは難しいということがご理解して頂けると思います。
左手に何か見えますよ。
おそらくあれですね!
近づいてみましょう。
着きました。
ここが北原の石切場です。
素晴らしい光景が広がっています。
上から底に向かって段々になっているのが確認できます。
このように切り開かれた場所が1か所ではなく所々ににあります。
切り出された石材はかなりの数だと思われます。
全て人の手で行ったというのが驚きです。
暑い中、この重労働です。
ここで作業した方々の気持ちを思うと胸が苦しくなります。
所々に作業の後を思わせる場所もあります。
実際に見ると石切りの作業がより身近に感じることができます。
潮だまりには魚もいますよ。
とてもかわいいです。
ただ滑りやすいので注意してくださいね。
大きなサンゴの化石も所々で見ることができますよ。
オハナさんと比べるとより大きさが際立ちますね。
石切の現場だけでなく、他にも見どころは満載なので、
ぜひ注意深く観察してみてくださいね。
北原の石切場を見た後は。ミーフガー、具志川城跡へ
石切場の近くには、ミーフガーや具志川城跡があります。
ミーフガーは久米島が誇る景勝地で、巨石が寄りかかるように鎮座しています。
壮大な出で立ちだけでなく、子宝祈願としても有名です。
具志川城は城壁の曲線が綺麗であるだけなく、そこから見える景観もバツグンです。
お越しの際はぜひこちらも回ってみてください。
北原の石切場の所在地:沖縄県島尻郡久米島町北原
最後に
石切場を見学するために注意することは、
大潮の干潮に合わせて行くこと、満潮時にはよく観察できない可能性があります。
また風が強い日は避けることが必要です。
かなり風が強い場所なので、風速が強い日はあおられて大変危険です。
タイミングを見極めた上で、素晴らしい景観を楽しんでください。