ドローンでの空中撮影はだいぶスタンダードになってきましたが、
実はドローンによる配送に向けた動きもあることをご存知ですか?
なんとここ久米島でドローン配送の実証実験がされたんです!
日本では2例目で、飛行の最適化や人件費の削減など今後の事業化に向けた有用性があるか検証されました。
ドローンで家に荷物が届く時代がもうそこまで来ているかもしれません!
どのような実証実験だったのか?気になりますよね。
実際に注文し、飛行風景も観察させてもらったので、ドローンの飛行する様子も合わせてお伝えします。
久米島ドローン配送実証実験とは?
11月6日〜9日の期間、久米島町内でドローン配送サービスの実証実験が行われました。
ANAホールディグスによる実証実験で、ドローンの機体はACSL社製のPF-2CAT3です。
今回は、国土交通省航空局から飛行承認を得て行うという大々的な実証実験でした。
ドローンで上空150m以上の飛行や人工集中地区上空の飛行などを行う際は、国家資格が必要です。
飛行する際の条件も航空法など法律によって制限があるそうです。
目視なしで有人住宅街を飛ぶには、国土交通省に飛行許可や申請承認をもらう必要があります。
このようないろいろなステップを踏んで今回の実証実験に至ったということで、
現場では多くのスタッフの方が熱い思いを抱いて取り組まれていました。
今回は「レベル4飛行」と呼ばれる目視なし、無人運転で民家や通行人がいる地域の上空を飛ぶ実証実験です。
久米島の台所であるスーパー「Aコープ」から、美崎小学校横の蔵元跡まで商品をドローンで運びます。
ステップとしては
①Aコープに電話注文。
↓
②受け取り時間に、ドローンが仲里間切蔵元跡へ配送。
↓
③仲里間切蔵元跡まで取りに行くか、ボランティアの方が自宅へお届け。
というものでした。
ドローンが運べる総量が商品を入れる箱の重さも含めて1kgまでということで、
注文する商品はAコープの惣菜の中から2品までと限られています。
それでも、またとない機会なので注文してみることにしました。
ドローンの配送
真謝地区にある仲里間切蔵元跡。琉球王府時代の役所跡です。
役所の建物は解体されありませんが、見事な珊瑚石灰岩の石垣が現在も残っています。
今では、地域の方のゲートボールや憩いの場として活用されています。
ドローンが着陸するにはある程度の広さが必要なため、この蔵元跡が選ばれたそうです。
今回の実証実験は真謝地区の方をメインにされていましたが、
ドローン配送に興味津々の私は、車に乗って真謝まで受け取りに行きました。
配送側
Aコープ裏の駐車場が離陸地点です。
商品の箱詰めや、ドローンを操作するパソコンを設置する基地となっていました。
箱詰めされた商品をドローンがしっかりと掴んで飛行していきます。
飛行時間は5分ほどです。
真っ直ぐ飛んで行くかと思いきや、電波が受信できる飛行ルートを通るように決まっているため、
カーブを描きながら飛んで行きました。
受け取る側
ドローンの目的地である蔵元跡では、敷地の真ん中のあたりにドローンが着陸するということで、
離れて待っていました。
蔵元跡入り口の上空の方向から来るということで眺めていると、
「ヴーン」というハチの羽根の音が数倍大きくなったような機械音が聞こえてきて、
ドローンの姿が見えてきました。
音の大きさとしては個人的にはうるさすぎないと思いましたが、
人によっては苦手な方もいらっしゃるかもしれません。
個人的には、ドローンの飛行音が聞こえてくることで、
荷物がもうすぐ届く、という合図がわりにもなるのでは?とは思います。
着地点の上空で少し停止し、ゆっくりと着陸してきました。
完全に着陸してからドローンが独自で荷物を離すと、
またサッと空中に飛び上がり、ピューッと来たルートを戻っていきました。
あっけないほど手際の良い動きで飛び立ったので、あっもう少しいたら?と引き留めたくなるほど。
ドローンは思っていたよりも速く飛んでいましたが、
フラフラすることもなく安定した飛行だなという印象でした。
箱の中は注文した惣菜とおまけの飴玉が入っていました。
惣菜は常温でいいはずですが、念の為か保冷剤付でした。
惣菜自体も梱包材も入っているからか、惣菜は普通にスーパーで売っているのと変わらないような状態でした。
中身がぐちゃぐちゃにならないで届くのは重要だと思うので一安心。
その日の夕ご飯に美味しくいただきましたよ。
ドローン配送を体験しての感想
上空を飛ぶスピードが速いわりに、
着陸する時や上昇するときはスピードを抑えてゆっくり飛ぶので、
想像していたよりも安全性は高いなと感じました。
ドローンの音もさほど気になりませんでしたし、簡単な荷物の配送には問題なさそうな印象です。
一方で、課題もまだあります。
風が強い日や雨の日は飛べないなど天候条件によって配送できない時があります。
また、今回の機体は配送用の箱を含めて1kgしか運べませんし、海の上は飛べません。
重い荷物を届けて欲しい、島外から荷物を運んで欲しいという離島の需要はまだ満たせていません。
重い荷物や大きい荷物を運ぶとなると、ドローンを大きくしなければなりませんが、
それが有人地帯を飛ぶ際に安全性が担保できるのか、
大きなドローンが降り立つほどの着陸地点の確保はどうなるのか、
ドローンの飛行音も大きくなり、騒音問題になるかもしれません。
注文方法や荷物配送のお知らせの方法についても、ネットで簡単にできるようにしたり、
逆にネットが苦手な高齢者の方へどうアプローチするのかも大切です。
しかし、これからどんどんドローンも進化していくはずですし、
事業化に向けて細かいサービスの質も向上されていくと思いますので、
大いに期待できると思います。
むしろ果敢に挑戦しなければ日本の産業は発展していかないのではないでしょうか?
今後は、この実証実験をもとに実際の事業に向けた配送料の設定や
配送用途に合わせたドローンのサイズ展開などが行われていくようです。
新しいことに挑戦する方々の姿を間近で見られてとても刺激を受けました。
ぜひ、頑張っていただきたいです。
いかがでしたか。
久米島での実証実験は、ドローン配送に夢も乗せていました。
ドローンによる配送が当たり前になる日も近いはず!
その際はドローン配送で久米島の商品をご注文されてくださいね。